「日本語教師は授業準備が大変って聞くけど、本当に大変なの?」
「授業準備はどれぐらい時間がかかるの?」
日本語教師を目指している方で、こんな疑問を持っていませんか?
「毎日授業準備が終わらないどうしよう…」と困っていませんか?
この記事は、日本語教師が授業準備にかかる時間について書いています。
この記事を読めば、以下の疑問が解決します。
「日本語教師の授業準備の時間が気になる」
「授業準備の時間を減らしたい」
と思っているなら、ぜひこの記事をご覧ください。
日本語教師の授業準備について
授業準備とは?
授業準備とは、授業を教えるための準備です。
語彙・文法・漢字・読解・聴解・会話・・・教える科目によって授業準備の内容も時間も違います。
「授業準備が終わらない・・・」
「教案作成に時間がかかる・・・」
このような日本語教師の声をよく聞きませんか?
授業準備に時間がかかるというのは、ほとんどが『文法』の授業準備です。
どうして授業準備が必要なの?
どうして何時間もかけて授業準備をするのでしょうか。
私たちは何気なく使っていますが、日本語って本当に奥が深いんですよ。
「この文法はいつ使うの?」
「どうやって教えるのがわかりやすい?」
「この文法と何が違うの?」
わからないことがないように、事前に調べておきます。
では、わかりやすく授業準備をする必要性を、例を挙げて解説しますね。
2つの例文の違いについて考えてみてください。
- 試験に合格するために、一生懸命勉強します。
- 試験に合格できるように、一生懸命勉強します。
「ために」と「ように」の違いをすぐに答えられますか?
日本語教師は、授業で学習者の質問にすぐに答えられるように準備をしておかなければなりません。
日本語教師として日本語を教える以上、私たちは日本語のプロです。
日本人なら誰でも日本語が教えられるわけではないんです。
学習者に恥ずかしくないように授業の準備はしっかりとしましょうね!
日本語教師が授業準備にかかる時間はどのぐらい?
初級文法の授業準備時間
新人の日本語教師の方は、授業準備をするのに時間がかかります。
私が新人の頃は、初級文法を教えるのに(45分×4コマ)、大体3~5時間ぐらいかかっていました。
もちろんそれ以上かかるときもありました。人によっては5時間以上かかる人もいます。
4コマの中にはテスト・聴解が含まれる場合もあります。
文法じゃなくても、すべてにおいて授業準備は必要です。
「語彙だから準備しなくても大丈夫」「聴解だから、問題ない」とは、思わないほうがいいです。
中級文法の授業準備時間
中級文法は1回の授業は通常2コマです。
中級文法の場合は教案作成よりも、文法分析に時間がかかります。
1回の授業をするのに、文法分析に2~4時間ぐらいかかっていました。
N2になると似ている文法が多すぎて、4時間ぐらいかかっていましたね。
調べてもわからないときは、自分で考察をしてみて、ある程度自分の中で納得したらOK、とした方がいいです。
そうしないと、考えても考えてもわからない泥沼にハマってしまいます・・・!
他の日本語教師の口コミ
具体的な時間は書いていませんが、授業準備に時間はかかるようです。
授業準備にかかる時間…。働いている国や学校によって、1コマ分の時間・それに伴う準備時間も違いますが、やっぱり教師一年目に、時間かなりかかるのは一緒ですね💦 #taoyacafe #taoyacafe03 #日本語教師 #日本語教育 #授業準備
— Yuki Togawa (@Togawa_Yuki) 2018年8月10日
前に日本語教師が教案作成にかける時間が長過ぎとの話題があったが、新米教師が授業準備に膨大な時間を要するのは避けにくい。まず導入項目の理解に苦しむし、次にどう展開させるか、それに伴い必要となる教材を作るのにまた相当悩む。それらを全部含めると1コマに3時間準備になってしまうこともある。
— マッサー (@nobumaro0831) 2018年1月28日
日本語学校時代の後輩と連絡を取り合っていて、会いたいですねって話になったけどだいぶ心身ともにこたえてそう。休みである土日も教案作成や授業準備で消えているのだとか。
みんなそうなんです、ってもうやめようよ。残業こそ休日業務こそ当たり前なんてそろそろ変えようよ…
— ゆい🌻在宅ママ日本語教師 (@yui_k113) July 18, 2021
授業準備は何に時間がかかるの?
初級文法
新人のは、特に以下の授業準備に時間がかかりました。
最初は何でも時間がかかります。
学校に共有教材がない場合は、絵カードやFCの作成にも時間がかかります。
ウェブ上に教案や絵カードが公開されていますので、先輩日本語教師の教案を参考にさせてもらったほうがいいですね。
教案作成に役立つサイトはこちら
文法分析に使う参考書こちら
中級文法
中級文法で時間がかかるのは文法分析です。
▼意味の類似
- 風邪っぽい。
- 風邪気味。
「っぽい」と「気味」の違いを説明できますか?
▼形の類似
- 力の限り頑張ろう。
- 疲れたときはチョコレートを食べるに限る。
- クーポンをお持ちのお客様に限り、10%割引があります。
- 元気な限り、毎年旅行に行く。
- 知っている限りでは、田中さんは子供がいない。
- 今日に限って、寝坊してしまった。
- 遠足の日に限って、雨が降る。
- うちの子に限って友達をいじめたりしない。
形が似ていますが、違いを説明できますか?
中級文法では、類似文法がたくさん出てきます。
日本語教師は学生に説明できるように、自分の中に落とし込まなければなりません。
意味の違いだけでなく、類似文法の文法分析もする必要があるので、時間がかかるのです。
JLPTの文法分析はこちらも参考にどうぞ≫JLPT文法一覧
新人の先生もベテランの先生も授業準備にかける時間は同じ?
ベテランの先生ともなれば、授業の準備をする時間は短くなります。
理由は、
だからです。
とはいっても、以前作った教案は手直しする必要がありますよ。
なぜなら、クラスが違えば学習者も違うので、まったく同じ教案は使えないからです。
1回教えたことがあるからといって、授業準備を怠っちゃだめですよ!
日本語教師は常に自己研磨していかなければなりません。
慣れてくれば準備の効率もよくなるし、1回教えた文型なら授業準備は格段に楽になります。
みんなの日本語も1~50課まで教案を作成すれば、あとは教案を学習者に合わせて修正すればいいので、2回目以降は楽になりますよ。
授業準備の時間を減らすにはどうしたらいいの?
日本語教師は、授業準備に時間がかかります。
でも、いつまでも授業準備に時間をかけるのはよくないですよね。
効率よく授業準備ができるように、5つの対策を考えてみました。
1.一度作った教案を修正して使う
一度作った教案を修正するのは、ほとんどの日本語教師がやっていると思います。
つまり、教案がない一番最初の準備だけはどうしても時間がかかるのです。
でも、一度担当したところは、次回は格段に授業準備が楽になります。
私は、授業をするたびに、教案に以下のことを書き込んでいました。
次回、同じところを授業するときに、前回の授業の反省点を生かしてよりよい授業を目指せます。
中級以上の文法分析は、一度しておけば教科書が変わっても使えます。
もちろん100%同じで使えるわけではないですが、文法分析をしておけば、次の授業準備が楽になります。
2.授業で使用したプリントはすべてファイリングする
私は授業で使用したプリントは、すべてレベルと科目別、教科書別にファイリングして、何回も使っていました。
もしやっていない日本語教師の方がいたら、おすすめします。
例えば、N3なら、語彙・文法・読解・語彙・模擬試験などに分けて、すべての授業で使ったプリントをとっておきます。
プリントをとっておけば、「あの読解は一度授業で教えたのに、プリントは捨てちゃった…」ということがなくなります。
プリントを捨てないで取っておけば、次回は同じプリントを見ながら授業すればいいんです。
プリントがなければ、もう一度読解のプリントに書き込む必要があるので、また授業準備と手間がかかります。
プリントを使いまわすのは、前回の反省点や気になる点も書いてあるので、おすすめです。
3.先輩日本語教師の知恵を借りる
授業準備に時間がかかるのは、以下のような理由もあります。
考えてもわからないこと、難しいことは、先輩日本語教師に聞いちゃいましょう。
一人で考えても、わからないときはわからないんです。
悩んで時間をかけるのは、もったいないです・・・!
みんな同じ道を通ってきていますから、快く教えてくれると思います。
ウェブ上で教案や文法分析を公開している日本語教師の方も多いので、参考にさせてもらいましょう!
活用できるものはどんどん活用して、『授業準備は時短に!』を目指していただけたらと思います。
4.学校全体で教材を共有する
授業で使う教材は、個別で準備するというのは、非常勤講師が多い大きい学校にありがちです。
これは誰も得をしないので、よくないと思っています。
授業準備で教材を作るのにも時間がかかるし、教師によって教材が違うと、授業を受ける学生にも影響があります。
非常勤講師の方は、共有教材があるか学校に聞いてみましょう。
使えるものは、どんどん使ったほうがいいですよ!
みんなの教材を共有していい教材を選別していくと、学校全体として授業の質が上がると思います。
5.授業準備をする時間を決める
さんざん授業準備には時間がかかると言いましたが、授業準備は時間だけかけても仕方がありません。
時間はかけようと思えば、いくらでもかけられるんです・・・!
「〇分以内で授業準備を終わらせる!」と決めましょう。
基本的に、授業準備には時給が発生しませんので、効率よく授業準備しないと、あなた自身の首を絞めることになります。
(もちろん、就業時間内で授業準備をしていい学校や、〇分までは時給が発生する学校もあります)
授業準備は100%を求めないで、80%ぐらいでOKと気持ちを楽にしてみてください。
今回の授業の反省は次回へ生かせばいいんです!
【まとめ】日本語教師は授業準備に時間がかかる!
日本語教師になったばかりのころは、授業準備をするのも教師としてのスキルを上げるための大切な経験です。
しかし、授業準備をいかに効率よくするか、が長く日本語教師を続けるためのコツだと思います。
日本語教師になったばかりのことは、授業準備が大変かもしれません。
経験を重ねていけば授業の準備時間も短く早くなっていきます。
一人で考えてもわからないときは、先輩に聞きましょう。親身になって教えてくれるはずです。
授業準備に追われてしまい、日本語教師をやめたいと思ってしまうのは、本末転倒です。
適度にゆるく、しかし日本語のプロとして、効率よく授業準備をしましょう!
授業準備に忙しくて料理をする暇がないときは、20分で2品作れる【kit Oisix(きっと、おいしっくす)】を利用するのもおすすめですよ。
詳細については、「オイシックスのおためしセットの口コミ | 共働き夫婦の日本語教師におすすめ!」の記事も参考にどうぞ。
以上、たのすけでした。
日本語教師のまとめ記事はこちら
≫日本語教師になりたい方向けのまとめ記事
≫授業のやり方や教え方で悩んでいる日本語教師の方向けのまとめ記事
≫【完全保存版】日本語授業のやり方や教え方がわかるまとめ記事
≫働き方で悩んでいる日本語教師の方向けのまとめ記事
日本語教師たのすけです。
恥ずかしがり屋で引っ込み思案・周りの目を気にしすぎる私でも、日本語教師の仕事にやりがいを持って働けるようになった授業のやり方を中心に、発信しています。