「今度、教務主任が授業見学をしてくれることになった・・・!」
「学期に1回は専任講師が授業見学に入るんだけど、いつも緊張する・・・」
わかります、わかります、わかりますよー!!
授業見学をされるのってドキドキしますよね…!
特に、まだ日本語教師になって経験が浅い頃は、
授業見学をしてもらう機会が多いと思います。
授業見学をしていただけるのは、『自分の授業を客観的に見てもらい改善するチャンス』なのですが、人に授業を見られるのは緊張しますよね。
たのすけは授業見学をしていただいたときは冷や汗をかきながら授業をしていた記憶があります(笑)
さて、今日は授業見学について、授業見学をされる側の気持ちと、実際に授業見学ではどんなポイントを見ているのかをお話ししようと思います。
この記事を読めば、以下のことがわかります。
目次
授業見学をされるときってどんな気持ち?
たのすけの経験をお話しますね。
はい、緊張の一言です(笑)
授業見学をされるのは、まだ日本語教師になって経験が浅かったり、研修の一環としてがほとんどだと思います。
自分の授業に自信なんてなかったので、とにかく緊張しました。
授業は学習者のためにするものなのに、授業見学をしていただいている先生のことが気になって気になって・・・
「あ、まずい。今の言い方はよくなかったかな・・・」など頭をよぎったりして、いつも以上に緊張して、
余計にダメなところを見せている感じでした。
そして、授業見学のあとは、必ずフィードバックをいただくのですが、
案の定トホホ・・・という感じでした。
ただですね、自分の授業を客観的に見るのって難しいですよね。
ビデオカメラを回して、後から見返して復習することはできますが、なかなかできる人は少ないんじゃないかなぁと思います。
ですので、
経験豊富な先生に授業見学をしていただき、アドバイスをいただけるのは、
本当に貴重なことで有り難いことでした。
「こんな練習を取り入れたらどう?」
「ここの練習のテンポはもっと速くした方がメリハリがつくよ」
「この練習は長すぎて学習者が飽きていたよ」
などなど、どこを改善すべきかを具体的に指摘していただき、とても為にたったのを覚えています。
それから、話し方の癖や自分では気づかなかった口癖を指摘していただき、意識して改善できるようになりました。
また、導入のやり方や学習者とのコミュニケーションの取り方など褒められた点もあり、それは自分の自信につながりました。
授業見学をする先生は、どんなことに注目して授業を見ているのか、気になりますよね…!
次では、たのすけが日本語教師未経験や経験が浅い方の研修をする立場になったときに、授業見学に入っていたときに、見ていたポイントを紹介します。
授業見学をするときに見ている5つのポイント
初級の文法授業だと仮定して、授業見学で見ている5つのポイントをお伝えします。
では、見ていきましょう!
準備・計画
授業は行き当たりばったりですることは難しいですよね。
ですので、授業計画は立てられているのかな、計画通りに進められているかな、というのをチェックしています。
- 授業の予習をしているか
- 授業の計画を立てて臨めたか
- 計画通りに進めることができたか
- 学習目標は達成できたか
- 無駄な時間がないか
無駄な時間とは、絵カードの順番がバラバラで、いざ使おうと思ったのにアタフタしてしまうなどです。
授業の予習では、テキストを読んだり類似文型との違いを調べておくだけでなく、練習問題の解答まで確認しておくことをおすすめしています。
なぜなら、学習者から思わぬ回答やこの回答もいいですか?と質問が出てきたり、意外に回答が難しい場合もあるからです。
授業ではパワーポイントを使用している方も多いと思いますが、
いざ授業を始めるぞ!となったときに、あれ?パソコンの調子が…、プロジェクターがつかない…、そんなこともあると思います。
授業開始時間には授業が始められるように、機材は授業前にきちんと確認しておきましょう。
授業内容
授業内容では、導入の内容や練習の内容・量は適切かを見ています。
例えば、以下のような点です。
- 導入内容は学習者にとってわかりやすいか・身近な場面になっているか
- 練習の内容は学習者のレベルに合っているか
- 練習の量が少なすぎたり、多すぎてダレたりしていないか
- 学習者の発話量が多くなるように、書く練習や読む練習(単純なリピート練習)ばかりになっていないか
【関連記事】
≫日本語の初級文法「導入」のやり方|大切なポイントは3つあります
≫初級文法の練習方法9選|練習のバリエーションを広げたい日本語教師必見!
≫授業で学習者の発話量を増やすにはどうしたらいいの?|日本語教師の疑問
板書をする場合は、
- 板書の大きさ・色は見やすいか
- 板書を消すタイミングは適切か
- 板書するときにずっと背中を向けて無言になっていないか
などを見ています。
【関連記事】板書のルールは決めている?|日本語教師の板書テクニック
学生対応
授業に慣れないと、教案に集中してしまったり、次授業でやることって何だっけ?と学習者のことを見る余裕がなかったりしますよね。
学生対応では、学習者とのやり取りをメインに、教師がクラス全体のこと、学習者のことを見られているか、適切な対応を取れているかを見ています。
- 学習者の間違いを直せていたか・指摘できているか
- 学習者の質問に答えらえていたか
- 学習者の発言を見逃さずに取り上げられているか
- 指名に偏りがなかったか
- 個別フォローが必要な学生のフォローはできていたか
【関連記事】学習者から答えられない質問をされたときの3つの対処法|日本語教師の疑問
また、学習者全員が、いつもいつも真面目に授業に参加しているわけじゃないと思います。
ですので、ルールを守っていない学習者に対して注意できていたか、毅然とした態度で対応できたかなども見ています。
教師自身のこと
教師自身のことでは、教師の発話や学習とのコミュニケーションが取れているか、楽しそうに授業ができているかを見ています。
- 声の大きさや発話スピードは適切か
- テンポにメリハリをつけて進められていたか
- 使用している語彙・文型は適切か
- 教師が一方的に話していないか、学習者とコミュニケーションは取れているか
- 教案ばかり見ていないか、学習者を見ていたか
- 机間巡視をして、クラス内をまんべんなく見られていたか
- 指示の出し方はわかりやすかったか
- 笑顔で楽しそうに授業ができていたか
声の大きさやスピード、テンポはとても大事だと思っています。
自分が学習者で授業を受ける側になってもらうとわかると思うのですが、
声が小さくて聞こえないとイライラしたり、授業に参加するぞー!という意欲が下がってしまったり、
いつも同じ声の大きさやテンポでも眠くなってしまったり、
先生がずーっと一方的に話していると飽きてしまいますし、
先生が目を見て話してくれないとなんだかなぁと思ったり、
でも、先生が熱心に楽しそうに授業をしてくれていると、それだけで自分も楽しくなって、授業に参加するモチベーションが上がったり。
【関連記事】
≫日本語教師が学生に「わかりやすく伝える」7つの話し方のテクニック
≫導入のとき、教師が一方的に話してない?|初級文法の導入方法を例で紹介します
≫「楽しい授業をしたい!」ときに振り返りたいこと・意識したいポイント|日本語教師の疑問
その他
最後は、その他の項目として、こんなこともチェックしています!というのをお伝えします。
- 授業の開始・終了時間を守ることができたか
学習者に「遅刻してはいけません」と言っていませんか・・・?
ですので、教師自身も授業の開始時間・終了時間を守るようにしましょう。
これは授業開始・終了時間だけじゃなく、休み時間の開始・終了に関してもそうです。
実際に授業時間ぴったりに終わらせるのって難しいんですよねぇ。
ただ、毎回あの先生は5分終了時間が遅い!などとならないように、授業時間も意識していただけたらと思います。
【参考】
≫日本語の初級授業で、時間が足りなくなる3つの原因とその対処法
≫日本語の初級授業で、時間が余ってしまったときの7つの対処法
【補足】先輩の授業見学をする側になったら、どこを見るべき?
もし、先輩日本語教師の授業見学をできるチャンスが来たら、ぜひ授業見学をさせてもらいましょう!
人の授業を見る機会はあまりないので、本当にチャンスです!
その時に、ぜひ見ていただきたいポイントが4つあります。
①話し方
- 話すスピード・声の大きさ
- メリハリ(説明のときは大きな声で少しゆっくり、練習のときは少しスピードアップしてなど)
- 語彙・文型のコントロールはどの程度しているのか
②授業の流れ
- 導入から練習、練習から次の練習など、どのようにすれば流れるように(スムーズに)授業を進められるのか
③学習者とのコミュニケーションの取り方
- 学習者にどんな風に質問を投げかけたりやり取りをしているのか
- 話が盛り上がり過ぎてしまったときや脱線してしまったときの切り上げ方など
- 指名の仕方
- 教師と学習者の話す割合
④学習者のフォローの仕方
- 机間巡視など学習者とどのように見て、個別フォローをしているのか
導入や練習内容は後から聞くこともできますが、授業を見ない(参加しない)と分からないこともありますよね。
その場でしか感じられない、聞いただけじゃわからないことを見ていただくと、勉強になると思います。
新しく入った先生には、たのすけの授業見学をしてもらうことが多かったですが、その時によく言われたのが、「流れるように授業が進みますね…!」でした。
詳しく聞くと、無駄な時間がなかったり、導入や説明、練習など、スムーズに進んでいるということでした。
授業見学して、見て体験すると、「あっ、こんな風にやればいいのかな」とイメージがわきますよね。
まとめ|授業見学してもらえるのをチャンスだと考えよう!
授業見学をされるって本当に緊張しますよね…。
たのすけも毎回ドキドキしていました・・・!
正直なところ、授業見学をされるのは嫌だなぁと思っていました。
なぜなら、自分の授業に自信がなかったからです・・・。
でも、そうして一人で悩んでいたって授業は良くなりませんし、学習者にも申し訳ないですよね。
どうせなら、自分の授業に自信を持って、学習者に「日本語が上手になるために、一緒に勉強しましょう!」と堂々と授業をしたいと思いました。
要は、考え方次第なんです!!
『授業見学をしてもらうのは、自分の授業を客観的に見てもらい、もっと良くなるために改善するチャンス』なんです!
このチャンスを生かさないなんて、もったいないです。
授業見学をしてもらいフィードバックしてもらうことで、今よりもっともっと自信を持った授業ができるようになります。
なぜなら、授業では、PDCA(Plan:計画、Do:実行、Check:確認、Action:改善)が大事でだからです。
今回の反省点は次回に生かして、次回の反省点はまたその次に生かして、
そうしてやっていくうちに、あなたの授業は今よりもっともっと良くなっていきます。
授業見学をされるのは嫌だなぁ、緊張するなぁと思うかもしれませんが、大丈夫ですよ!
授業見学をしている先生は、あなたの悪いとことを探そうと思っているわけじゃありません。
あなたがもっと成長できるように、授業見学をしているんです。
授業見学をしてくださる先生はあなたの味方です。
仲間が一人増えたと思って、いつも通りリラックスした気持ちで臨んでくださいね。
今回授業見学で見られているポイントをお伝えしましたが、お伝えしたことは授業をするときに意識してほしいことです。
ここを意識するだけでも、もっとあなたの授業は良くなっていくと思います。
ぜひ、意識してやってみてくださいませ。
以上、たのすけでした。
日本語教師のまとめ記事はこちら
≫日本語教師になりたい方向けのまとめ記事
≫授業のやり方や教え方で悩んでいる日本語教師の方向けのまとめ記事
≫【完全保存版】日本語授業のやり方や教え方がわかるまとめ記事
≫働き方で悩んでいる日本語教師の方向けのまとめ記事
日本語教師たのすけです。
恥ずかしがり屋で引っ込み思案・周りの目を気にしすぎる私でも、日本語教師の仕事にやりがいを持って働けるようになった授業のやり方を中心に、発信しています。